株式会社シーアールエー

Q. 事業内容について教えてください。

→主にオーダースーツの小売業を行っております。具体的には、オーダースーツの販売をするAsterというブランド(2店舗)とLGBTQ+の方専門のオーダースーツを販売するFabric Rainbowというブランドの運営、そして年末に向けて動いている「推しスーツ」を仕立てる事業の3つに取り組んでいます。

Q. LGBTQ+フレンドリーへの取り組みのきっかけや背景は何ですか?

→きっかけは、2016年に読んだある記事です。その内容は、とある会社でトランスジェンダーである社員が自身についてカミングアウトしたところ、周りに受け入れられず、結果的にその方が自殺してしまったという事例が2010年にあった、というものでした。その記事を読んだ際に、自分が自分らしくいられないという世の中に強い憤りを覚えました。

当時の私は「LGBTQ+」という言葉すら知らず、ただ新聞とかで見るような”自分とは遠い物事”のことで、持っていたイメージも「二丁目の人」や「ある一部の芸能人」という決して身近な存在という実感はありませんでした。

私がその記事を読んだ後、その記事の内容を受けて自分が思ったことを友人に打ち明けたところ、その友人がたまたま知り合いだったトランスジェンダー支援をしているNPO団体の方を店舗に紹介して下さり、性の多様性に関するレクチャーをしていただいたという背景があります。

それまでは「性的指向」という部分にしか着目していませんでしたが、そのレクチャーの中で、多様な性のグラデーション性や性的指向・自認、社会的に振る舞う性などについて学びました。また、そこでお話をしに来ていただいた方々から、スーツ購入にあたって困っていることがあるという相談を受けました。

相談の内容としては、「サイズが合わない」というものが一つ。そしてもう一つは、例えば外見的には女性の人が理由なしに男性用スーツを希望できないというようなことから、スーツ購入の際には「カミングアウト」が必要になるというものでした。

また、スーツ購入の際に困ってる理由として、ビジネスウェアとしてのスーツが「男性ジェンダーの象徴」であるという側面もあるのではないかと思います。性自認のグラデーションにもよるとは思いますが、もし私の性自認が女性だったら着物やドレスを着たいと思うと考えますし、同様に性自認が男性だったら、男性的な表現をしたい、スーツを着たいと思うと考えます。自分が自分らしく振る舞う方法の一つにスーツを着るというものがあると思いますが、そういった理由から障壁が高くなってしまっているのではないかと考えます。

弊社は、このような悩みの相談を受け、直ぐにHPに「LGBTQ+の方へ」というページを作成し、我々がアライであるということを謳い始めました。加えて、現在は毎朝LGBTQ+に関する情報の読み合わせを行い、社内での多様な性に対する理解を深めています。

Q. どのような職場環境ですか?従業員の仕事に対する姿勢についてお聞かせください。

→取締役という立場からの意見になってしまうのですが、弊社のスタッフの中でもFTMであることをカミングアウトしている者もいるなど、スタッフそれぞれが自分らしく働いていると思います。また、従業員の殆どは20代前半で、若者しかいないですね笑

一方でスーツを販売する上で課題なのが、全てのお客様がLGBTQ+に対する理解があるという訳ではなく、従業員が必ずしも満足できる環境ではないということです。つまり会社がLGBTQ+フレンドリーだからといって、お客様がLGBTQ+フレンドリーとは限らないということです。

また、Job Rainbowに載っている企業やLGBTQ+当事者の採用や検証を行っている企業など、LGBTQ+に対する取り組みを行っている企業を調べることはしていますが、やはりそもそも組織の規模も雇用の数も大きい大手の企業が大半であるというのが現状で、中小企業が行っている取り組みが殆どなく、我々にとってのモデルケースが少ないのです。

弊社はLGBTQ+分野のパイオニアではないですが、一中小企業として上に挙げたような現状があるので、中小企業なりに社員とアプローチの方法を考えながら、どう対応すべきなのかを模索しています。やはり上で述べたような課題に対応して行くためには、オーダースーツブランドのAsterの方でも、アライの取り組みを大々的に公表してお客様に周知するなどの取り組みが必要だと考えています。

Q. 働きがいや面白さについて教えてください。

→弊社の企業理念は「ワクワクドキドキするような希望が込められた、世界に一着のオーダーメイドの服飾を通じてお客様と繋がることにより、その一つ一つの想いを共有し、実現し、喜んでいただく」というものです。また、ナポレオンの言葉で「人は服飾通りの人になる」というのがあり、普段の自分がある特別な服を着る時にドキドキするように、ビジネスウェアとしてのスーツもその「特別な一着」として、ワクワクする感覚をお客様に感じていただきたいと考えています。

この仕事はお客様と接するのがメインなので、コミュニケーション能力がすごく必要です。コミュニケーションは質問の連続で成り立つもので、その連続の中で我々が自己開示をしていくことでお客さんとの信頼を高めることができます。その対価として、仕事の達成感・やりがいがあると思います。

Q. ダイバーシティー分野における今後の展望についてお聞かせください。

→やはり「Diversity & Inclusion」を大事にしていきたいです。まずDiversityというのは社内に私、外国籍の方、年配の方、若者、LGBTQ+当事者の方がいる状態だと思います。ただそこで大事なのは、その方たち全員がアライであって、協力し合って何か成果を上げていける状態にあること、つまりIncludeし合っていく状況だと思います。というのも、Diversityが達成されていたとしても、お互いが喧嘩し合うならば多様性は意味をなさないからです。

Q. どのような学生に来ていただきたいですか?

→根性がある方、そして掃除が得意な方(笑)に来て欲しいです。その一方で、能力はその先の話、というより入社後に鍛えるようなものではないです。企業経営の人材において、その人が「どういう人なのか」が採用の殆どを占めていると思います。

また、主体性がある方がいいです。つまり自分がこうしたいと思うことと、弊社がこうしたいと思うことがリンクする部分がある方と一緒に頑張っていきたいということです。

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