岐阜日石株式会社

今回は、変わりゆく世の中における将来に向けたビジョンを伺わせていただきました。

自己紹介

岐阜日石株式会社にて2014年から第7代社長をしております和田です。

弊社は、岐阜県内の石油製品を扱うENEOSの特約店の運営を主な業務としており、その他にもモビリティ分野において車検や車の整備、車両販売、車輌保険など、車に関すること全般を事業として行っています。創立は1949年で、今年で74年目になります。

Q. どのような会社ですか?事業内容に関してお聞かせください。

→全国で50%以上の販売シェアを誇るENEOSの特約店、所謂ディーラーである弊社は、エネルギー事業及びモビリティ事業を主軸に事業を展開しています。ENEOSと共にガソリン、灯油、軽油などを中心とした事業を行っており、現在は岐阜市を中心に弊社のENEOSの直営店を22店舗、その二次店は愛知県も含め44店舗展開しております。加えて、潤滑油(オイル)の販売・交換や点検、バッテリーの交換など車全般に対する業務の他、周辺に多くある車メーカーの下請け会社などを対象に、工業用潤滑油を用いたメンテナンスも実施しています。また、レンタカー事業、社用車のメンテナンス、2019年の春からは車両の販売も始め、現在弊社のガソリン車は岐阜県内において10%のシェアを誇っています。

弊社は、車に関わることの「町医者」のような存在になりたいと考えています。そのために、必ず国家整備士の免許を取ったスタッフを常駐させるなど、お客さんが相談しやすい環境作りを行っています。またコロナ渦であり密接にお話がしづらい状況ではありますが、弊社の業務はデジタルでは出来ない仕事であるからこそ、感染対策を十分にしながらお客様のご要望に応えています。

石油製品事業とは所謂「生活のインフラ」の一つであって、電化が推進しているとはいえ、公共機関が少なく1世帯当たりの車両台数が比較的多い岐阜県ではガソリンや灯油の需要がまだまだ高いです。そのため、新型コロナウイルスの流行で初めて緊急事態宣言が発令された際も、国の要請の下、安定供給実現のためにお店を閉めることはありませんでした。このような背景から、我々の業界が人々の生活を守る砦となっていることを自負しています。

Q. 女性従業員の方々はどのように活躍していますか?

→セルフスタンドにおいては、お客様の誘導や決済手段の提案、あらゆる申し込み手続きなどの場面でお客様と接する役割を担っています。

また、最近では工具の性能向上によって、タイヤ交換一つにしてもずっと簡単にできるようになり、国家整備士の資格を持つ女性社員も含め、タイヤ交換やオイル交換、空気圧チェックなどを出来る社員が増えてきています。

実際は力仕事だけではなく、他にも所長として活躍している女性もいます。全従業員数280名のうち、23%が女性で、女性且つ係長以上の人は8名です。その中にはガソリンスタンドの所長、車検整備工場の工場長、総務人事の課長を担う女性社員がいます。

そもそも仕事においてジェンダーの差別があってはならないと思います。それ故、ジェンダー平等への取り組みや、家庭と仕事の両立を意識した制度設計をし、2015年頃から導入した短時間制度のように、産休・育休をとった女性も仕事に復帰しやすい環境作りをしています。それに、求人においても男女の項目は一切なく、能力とやる気があれば誰でも働けるようにしていますし、今年の7月にはジェンダー平等も含めた、SDGsに関する宣言書も発表しました。2030年までには女性従業員の数を30%まで増やしたいと考えています。

Q. 女性活躍のためにどのような取り組みをされていますか?

→啓蒙でしかないと思います。HPの企業理念にあたる「プライオリティ」に「従業員にとって魅力的で誇らしい会社作りを常に追求する」とあるように、ワークライフバランスや多様性も大切にしており、従業員の中にはベトナムからの技能実習生や75歳までのシニアで活躍している方もいます。「信用・信頼される企業であり続けるために、会社の従業員としての高い人格を追求する」ことを理念にしたためているので、弊社の従業員は規律やルールを徹底して遵守し、努力しています。

その「プライオリティ」の中にある7つの「行動指針」の中に、「お客様に対しても仲間に対しても気配りをすること」があります。仕事は一人で出来るものではなく、チームであるため、自己中心的にならず、仲間に感謝の気持ちを持つことを大切にしています。

多岐にわたるハラスメントの問題に関しては、現在総務人事で策定中で、相談窓口の設置や会社としてどう対処するのかなど検討中です。今後Z世代が入ってきて、価値観の端境期になりますが、役員や管理職に対する啓蒙によって、岐阜日石としてのスタイルを築いていきたいと考えています。

また、会社全体としてのビジョンを持つために、様々な取り組みをしています。具体的には、「Priority Manual」の作成や意見交換会、勉強会、セルフイノベーションプログラムを実施したり、来年中には行動指針を守れているかどうかを評価する評価制度を作ろうと考えています。

Q. 働きがいや仕事の面白さ、今後の展望があれば教えてください。

→私の年代では多くの人が引退していますが、私は幸いなことに社長として現役でいます。年齢、価値観の違いを克服するために、現在と未来を見て、想像力を豊かにしようと努力しています。

ミレニアム世代やZ世代などの世代間の価値観には断絶があるものの、私にはこれまで積んできた経験を下の世代に伝承する責任があります。その中で良いものは後生に残していって欲しいし、やめるべきことは革新していけば良いと思います。このような経験の伝承こそが企業のサステナビリティに繋がっていて、弊社としてこの先も長く生き残っていきたいという思いがあります。

最近は脱炭素化やカーボンニュートラルなどが謳われて、我々の石油製品の業界が真逆のように捉えられるかもしれませんが、それだけではなく、未来のビジョンも持ち合わせているということを若者たちに伝えたいです。

Q. どういう学生に来て欲しいですか?就活生に一言メッセージをお願いします。

→弊社はエッセンシャルビジネスの一つで、人々の生活インフラを守る事業であり、地域に貢献することを念頭に精進してまいりました。つまりただのENEOSのガスステーションだなと思って欲しくはないです。会社から与えられたことに対して漫然と座っているような人ではなく、寧ろ自分で何かを提案・発信したいという人に来ていただきたいです。

そして近いうちに世の中が変わり、人々の発想も変わってくると思います。そういう意味でのチャレンジ精神、そして不屈の精神を持った人材でないと、この世の中で生きていけなくなると思います。弊社としては、ミッションも遂行できて、更に自分で考えたことを発信できる人材がいると嬉しいです。

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